2011年1月25日火曜日

世界一わかりやすい打碁シリーズ 謝依旻の碁 =★★★★=

謝 依旻 (著)/毎日コミュニケーションズ
女流では無敵の著者が自らの棋譜を丁寧に解説。
積極的な攻めや逆転を呼ぶコウ争いが印象的である。
また、相手の弱点に狙いを定めている様子がわかって面白い。

2010年12月29日水曜日

坂田の碁〈3〉石の構え方 =★★★=

坂田 栄男 (著)/毎日コミュニケーションズ
タイトルは石の構え方とあるが、布石の活かし方のことである。
三々、小目、目はずし、星という順番で解説される。三々が最初というのが面白い。
最近の本ではあまり解説されることがなく、自分自身も打ったことがなかったので勉強になった。
中国流や三連星といった形の決まった布石戦略と違い、発想の柔軟性が問われる題材が多い。
最近の本と違い、文章と図の関係がスムーズでないので、やや読みづらい。古い本は紙を節約して内容を濃くする傾向があるからであろうか。

2010年11月17日水曜日

世界一わかりやすい打碁シリーズ 結城聡の碁 =★★★★=

結城 聡 (著)/毎日コミュニケーションズ
打碁集(棋譜解説)はたいていプロの技量を披露する棋譜を解説するので、難解な局面を深く検討する図がたくさん出てきて、あまり棋力の高くない小生などは最初の局面がどうだったか忘れてしまうことも多いので読むのに苦労を要する。
しかし、本書は中級者向けのようで、局面検討は浅めだが、とてもわかりやすく書かれているので一気に読める。著者が中級者にもわかりやすい棋譜を選んでくれたのかもしれない。
また、著者本人の棋譜なので、局面の感じ方やその後の構想を知ることができる点も楽しめる要素である。
この手の本が多く出版されることを望みたい。

2010年11月12日金曜日

地と模様を超えるもの―趙治勲の囲碁世界 =★★★★=

趙 治勲 (著)/河出書房新社
幼少期から持つ劣等感をバネに囲碁界の頂点に上り詰めた著者の自伝および人生哲学書。
輝かしい経歴を持つ著者にしては謙虚な人生哲学、『人間、そう威張れたものでない』が随所ににじみ出ている。

これまで著者の強さは読みの深さや局面の判断力が優れているからなのだろうと考えていたが、技量に加えて集中力と粘り強さが秀でているのだろうと感じた。
真似するのは難しいが、著者の棋譜を並べてみたくなった。
追記:著者から観た他の著名棋士の評価の部分は一般的な評価と異なり、結構面白い。

2010年10月26日火曜日

一生懸命 ふまじめ ‾囲碁トッププロの生き方‾ =★★★★=

武宮 正樹 (著) /毎日コミュニケーションズ
著者の囲碁は、宇宙流と呼ばれ、観る者をとても楽しませてくれる。著者本人も感性の趣くままに楽しんで打っていることがよくわかる。
人間は貪欲な生き物なので、目先の利益や勝負にこだわらずに碁を打つことは難しいが、素直な気持ちで自分自身が納得できる手を打ち続けられるようになりたいと思った。
囲碁を通じて会得したと思われる著者の人生訓がいろいろと語られていてこちらも面白い。見かけ(坊主頭)だけでなく、出家した人のようである。

2010年10月20日水曜日

六段合格の手筋150題 =★★★★=

日本棋院/日本棋院
三段合格シリーズの上にあるのがこの六段合格シリーズ。内容も3階級分上昇してかなり難しい。しかし、手筋は難易度が上がる程、正解手順の見事さに感心させられる度合いも大きい。自分の棋力以上の内容だが結構楽しめるものである。

2010年10月16日土曜日

布石の打ち方 (碁の教科書シリーズ) =★★★★=

石倉 昇 (著), 日本囲碁連盟 (編集)/ユーキャン
著者は初心者向けの著書が多いが、今回は中級者向けの布石理論。
代表的な布石を題材に、石の方向や使うべき定石などの要点を解説。誤った打ち方をした場合どう追求すべきかを問題形式で解説しているので興味深く読める。
続編も予定され、全7巻となるらしいので次巻以降も期待したい。